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クレジットカード現金化と違法性
クレジットカード現金化を利用する際に最も気になるのは、「違法性があるのか」という点ではないでしょうか?
このページでは、クレジットカード現金化について法律の観点から検証していこうと思います。
買い取り方式とキャッシュバック方式
クレジットカード現金化には、買い取り方式とキャッシュバック方式という2つの業態が存在します。
キャッシュバック方式とは、クレジットカード現金化業者が提供する商品をショッピング枠を利用して購入し、キャッシュバックとして現金を受け取るという方法です。
買い取り方式とは、クレジットカード現金化業者がショッピング枠を利用して商品を購入させ、その商品を現金化業者が買い取ることで代金を支払うという方法です。
この2つの現金化方式の内、注意しなければならないのは買い取り方式のクレジットカード現金化です。
買い取り方式で営業を行う事業者については、以前にも逮捕者が出ているという経緯があるため、その違法性に対しては十分に注意する必要があります。
クレジットカード現金化の買い取り方式とキャッシュバック方式について詳しくは、「クレジットカード現金化とは」のページを参照下さい。
買い取り方式の現金化業者に注意

2011年に警視庁は、「ショッピング枠を現金化目的のために利用させるという商法は、ショッピングを装ったお金の貸し付け行為であるため、事実上の金融業者である」として、現金化業者を貸金業法及び出資法違反で摘発しました。
金融業者であれば、貸金業法に基づいて、貸金業登録を受ける必要があります。
しかし、買い取り方式の現金化業者の中には、貸金業登録をせずに買取屋と呼ばれる悪徳な営業を行う業者が存在します。
また、貸金業と判断した上で、買い取り金額と支払い代金の差額を金利として計算した場合、その金利は出資法の上限金利を大幅に超過することになります。そのため、出資法にも違反することになります。
買取屋の手口としては、クレジットカードで商品を購入させ、その商品を定価の5割程度の価格で買い取るため、金利に換算した場合は法外なものになるのです。
クレジットカードのショッピング枠を利用して、現金を手に入れることが出来ますが、実際にはクレジットカード会社に商品の購入代を返済しなければいけません。
買い取り方式の現金化業者は、安価に買い取った商品を効率よく転売することで膨大な利益を得ているのです。
現金化を利用する側の違法性
クレジットカード現金化は違法ではないがカード会社の規約に反する

結論から言えば、クレジットカード現金化に違法性はありません。
しかし、カード会社の規約には違反していると考えることが出来ます。
クレジットカード現金化は、「顧客の需要に応じた商行為」であるため、貸金業ではないと考えることが出来ます。
ただし、実質的には貸金業であるという指摘もあるため、クレジットカード現金化は非常にグレーなものであると言えるかもしれません。
クレジットカード会社の規約について
カード会社の会員規約には、換金を目的としたクレジットカードの利用を禁止しています。
クレジットカード現金化の買い取り方式は、換金を目的として家電製品やブランド品を購入しているので、クレジットカードの会員規約に反しています。
クレジットカードのクレジットとは、信用を意味する言葉です。
つまり、クレジットカードは自分の信用でショッピングやキャッシングを利用することが出来るというものであると言えます。
しかし、クレジットカードを換金目的で使用することは、その信用を裏切る行為だと考えることが出来るため、カード会社に知られた場合は、会員規約に違反したと判断される場合があります。
会員規約に違反すると、会員資格が取り消しとなり、クレジットカードの利用を停止されることがあります。
場合によっては、クレジットカード現金化を利用した金額を、即座に一括で支払うように求められる場合があるため、支払い困難に陥る可能性があります。
クレジットカード現金化する際は、個人で行ったり、悪質な業者を利用しないように注意する必要があります。
なぜなら、個人で行う場合や悪質業者を利用すると、決済代行会社を通していないので、カード会社に知られる確率が高まるからです。
基本的に、優良業者であれば、カード決済代行会社を通すので、カード会社に知られるリスクは低くなります。
自己破産をする場合に免責不許可事由になる
破産法には、「免責不許可事由」というものが定められています。
免責不許可事由とは、裁判所により免責を許可してもらえないという判断です。
免責とは、借金の支払義務を免除してもらうことです。
しかし、破産法では、ギャンブルや浪費を原因として借金をした場合は、原則として免責が認められません(破産法 第252条第1項第4号)。
また、クレジットカードで買った商品を安く売ってしまったりする行為(クレジットカード現金化の買い取り方式)も免責不許可事由に該当します。
【破産法 第252条第1項第2号】
破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
免責不許可事由がある場合でも、必ずしも免責不許可の決定がされるというわけではありません。
しかし、債務の原因が免責不許可事由に該当する場合は、裁判所から、債権者に対して配当を指示されることがあります。
また、破産管財人が選任されるケースもあります。
破産管財人が選任される場合は、予納金として最低でも20万を追加で裁判所に納める必要があります。また、破産手続も長期間に渡ることになります。
総括
ここまで説明をしてきた通り、クレジットカード現金化を利用するリスクは少なからず存在します。
クレジットカード現金化は、グレーな部分があるサービスであると理解する必要があります。
クレジットカード現金化業者が取り扱う商品は、価格が数百円程度のものであり、その商品を各業者が定めている還元率を基にキャッシュバックを受けるというものです。
価値の低い商品を不相応の価格で購入させ、他の用途のために販売し、キャッシュバックを行う行為を問題視する声もあります。
キャッシュバック方式で現金化した場合でも、カード会社の利用規約に違反しないと断言することが出来ないため、その旨については十分に理解しておく必要があります。
しかし、キャッシュバック方式のクレジットカード現金化は、法的に問題なものではないため、現在でも多くのクレジットカード現金化業者は営業を続けています。
現金化サービスを利用する際は、買い取り方式の業者ではなく、キャッシュバック方式の優良業者を選ぶことが大切になります。
問題点を理解した上で、賢く利用すれば、メリットも大きいサービスであることは間違いありません。